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一本釣り漁業短期研修体験記

平成29年7月29日に開催された山口県漁業就業支援フェアに来場された大阪府在住の上田さんが、翌8月に山口県漁協須佐支店(萩市)でイカ一本釣の短期研修(体験乗船)を行いました。上田さん本人にご了解を頂きましたので、その状況をご紹介します。

体験乗船
向かって右側が上田さん、中央は指導者の渡部さん、左側は長期研修生の家田さん。

須佐地区はイカ漁が盛んで、剣先イカの一本釣を生業とする漁師が多く、活イカのブランド「須佐男命いか」(すさみこといか)が有名です。須佐漁港は九州・四国・中国・近畿地方から活イカの運搬業者が集まる日本海屈指の活イカ港となっています。

情報交換

出港前の漁港の風景(午後5時半頃)。徐々にイカ一本釣業者が集まって来ました。漁師同士の連携がよく、競って早く出港して漁場を確保するということはあまりありません。漁場についての情報交換をしたり、井戸端会議をしたり・・・

元ニューフィッシャー

午後6時頃、須佐漁港を出港。本日の漁場は沖合6マイル程度と比較的近場です。移動の間、指導者の渡部さんにいろいろな話をして頂きました。
渡部さんも平成13年に20代で三重県から来られた元ニューフィッシャー。今では須佐地区一本釣船団の主力メンバーで、長期研修生の家田さんを指導しているところです。渡部さんはイカ釣りを中心に、タイ釣りやヨコワ釣りも操業します。

パラシュートアンカー

午後6時40分頃、漁場に到着しました。本日はパラシュートアンカーを入れて、流して(錨は入れず)操業します。回転灯を点け、操業開始位置を周囲の漁船に知らせ、午後7時頃操業開始。スッテと呼ばれる疑似餌を使った手釣り。日が落ちた午後7時20分頃に集魚灯を点けてから本格的に獲れ出しました。

さすがの動き!

長期研修生の家田さん(右側)。独立間近とあって、さすがの動き!
上田さんもチャレンジ(左側)。釣りが趣味でイカ釣りも経験があるとのことで、道具の扱いはなかなかのもの。

イカをゲット!
上田さん、見事にイカをゲット!

ナイスサイズ!
指導者の渡部さん。さすがのナイスサイズ!

活イカ

須佐地区と言えば活イカです。イカに一切手を触れず、一瞬で活間(イケマ)に取り込んでいきます。当日の水温は28度程度ありましたが、いろんな工夫をすることで夏場でも活イカ出荷を可能にしています。

帰港開始

午後11時頃、帰港開始。上田さん、最後までほとんど休憩せず頑張っておられました。当日は凪でしたが、船酔いも全くないとのこと。

箱に立てて市場出荷

午後11時40分頃、須佐漁港に帰港。
渡部さんはほとんど活イカで出荷されますが、本日は箱に立てて市場出荷するとのこと。上田さんにも体験してもらいました。

萩市場

漁協職員に出荷物を確認してもらいます。鮮イカは翌朝の萩市場のセリへ。

本日の作業終了

午後12時、本日の作業終了。短期研修は2泊3日で、翌日も別の指導者の船で研修を予定しています。
須佐支店で短期研修を受けた場合、一旦地元に戻って、本当にこの地で漁業をやっていくのか自分の気持ちを整理してもらうことにしています。上田さんにもじっくり検討してもらいます。

【山口県漁協須佐支店より】

イカの直売

山口県北部日本海に面する萩市須佐地区は須佐之男命(すさのおのみこと)の伝説が由来と言われ、緑豊かな山々に囲まれ、日本海の大海原をのぞむ緑と海のふるさとです。
そんな大自然に囲まれた須佐地区の一本釣船団は「須佐男命いか」(すさみこといか)のブランド化を進めるため、直売市など様々な取組みを行っています。また、潜海や一本釣(魚釣り)も盛んに操業されており、今後、一緒に漁業と地域の活性化に取り組んでいただける方を募集するため、毎年、漁業就業支援フェアに出展していく予定ですので、ぜひ須佐支店のブースにお越しください。